生産現場において、粗砂床面(あらすなゆかめん)のライフルバー(来复条)は、断面形状として台形(だいけい)と矩形(くけい)の 2 種類が一般的に使用されます。
6―S 粗砂シェーカーの床面では、矩形断面のライフルバーが多く採用されます。鉱流(こうりゅう)が流れる際、この断面形状のライフルバーは鉱流の側面付近に強い渦流を発生させ、粗粒鉱物をばらけやすくすると同時に、密度の小さい粗粒脈石を流出させやすい特徴があります。また、矩形ライフルバーの表面にさらに小さな凸条を追加した断面形状を採用するケースもあります。
雲錫式粗砂シェーカーの粗砂床面では、台形断面のライフルバーが使用されます。台形ライフルバーの表面には、鉱流の流れる方向に向かって小さな凸条を打ち付けています。この構造により、渦流の強度を高めると同時に、密度の大きい有用鉱物を保護することができます。
細砂床面(ほそすなゆかめん)のライフルバーは、粗砂床面のライフルバーに比べて高さが低く設計されています。
雲錫式細砂シェーカーの細砂床面に使用されるライフルバーは、断面形状の上面が鋸刃状(のこぎりばじょう)に加工されており、4 つの三角形の小さな溝(そうこう)が形成されています。この溝の役割は、流出しかけた細粒重質鉱物を截留(きりとめ)することです。
鉱泥床面(こうでいゆかめん)のライフルバーは、断面形状が三角形(さんかくけい)であるか、または床面に直接溝を刻んでライフルバーとして使用しています(刻まれた溝の断面は逆三角形となります)。
鉱流がこれら 2 種類の形状のライフルバーを流れる際、流れは比較的穏やかで乱流の度合い(乱動度)が弱いため、微細な重質鉱物の回収に有利です。
6―S 鉱泥シェーカーの床面では三角形のライフルバーが使用され、雲錫式鉱泥シェーカーとバネ式シェーカーの床面では、床面に溝を刻んだライフルバーが採用されます。試験結果によると、溝を刻んだ床面は、三角形ライフルバーを設置した床面に比べて、選別性能が優れていることが確認されています。
- ライフルバー(来复条):シェーカー(摇床)の床面に設置された凸状の条材または刻み溝で、「来复条」とも呼ばれます。鉱流の流れを制御し、渦流を発生させて重質鉱物と軽質脈石の層別を促進し、目的鉱物を捕集する核心部品です。
- シェーカー(摇床):重力選鉱機の一種で、傾斜した床面を往復運動させると同時に水流を供給し、鉱物の密度差を利用して分離する設備で、粗砂、細砂、鉱泥など粒度に応じて専用機種があります。
- 鉱流(こうりゅう):シェーカーの床面を流れるスラリー(鉱石粉末と水の混合物)の流れを指し、ライフルバーの形状によって流れの状態(渦流、乱動度)が変化し、分離効果に直接影響します。
- 乱動度(らんどうど):流体(ここでは鉱流)の流れが乱れる程度を示す指標で、乱動度が低いほど流れが穏やかで、微細な重質鉱物が流失しにくくなります。