水流の運動方式に大きな違い:対称的な「揺動」vs 非対称的な「急速上昇・緩徐下降」
鉱山での鉱石選鉱作業において、ジグは水流の上下運動によって密度の異なる鉱物を分離します。ダイアフラムジグと鋸歯波ジグの核心的な違いは、水流の運動方式にあります。従来のダイアフラムジグでは、水流が振り子のように対称的なパターンで上下する —— 水流が上昇する速度と時間、下降する速度と時間がほぼ同じため、鉱物が層を形成する「分離空間」が相対的に固定され、粒子サイズの異なる鉱物を明確に分離するのが難しいです。しかし鋸歯波ジグは異なり、特殊な機械構造によって水流を「急速上昇・緩徐下降」させます。水流の上昇時間は 1 サイクルの 1/3~1/4 に過ぎず、下降時間は 2/3~3/4 を占めます。この「急上昇・緩下降」の水流により鉱物層がより緩んだ状態になり、密度の異なる鉱物をより明確に分離できるようになります。
選鉱効果とコスト:回収率が更高く、水消費量が更少ない
実際の運用効果を見ると、両タイプの機械の差は非常に明確です。特に細粒鉱物の処理において、鋸歯波ジグのパフォーマンスは突出しています。例えば雲南省元陽県の金鉱では、鋸歯波ジグによって回収された金の純度は 80% を超え、簡単な処理を経れば直接製錬できます。ダイアフラムジグと比較すると、錫、タングステン、鉛、亜鉛などの鉱物の回収率はそれぞれ 3%~5.5% 向上しています。さらに鋸歯波ジグは節水効果にも優れ —— 水流設計が合理的で追加の補給水量を大幅に削減できるため、水消費量を 30%~40% 削減できます。同時に同じ面積のスペースでより多くの鉱石を処理できるため、作業効率も向上します。
どちらを選ぶべき?鉱山の実際のニーズに応じて決定
これは鋸歯波ジグが必ずしも優れているという意味ではありません。鍵は鉱山の実際のニーズに合致するかどうかです。一般的な非鉄金属の処理で、精度要件がそれほど高くなく、大規模生産を行う場合は、従来のダイアフラムジグで十分です —— 技術が成熟しており運転も安定しているためです。しかし特殊なニーズがある場合(例:最大直径 60mm の粗粒重晶石やマンガン鉱石の処理、砂金や細粒錫タングステン鉱の分離、さらには製錬スラグからの金属回収など)、鋸歯波ジグの方が適しています。またその部品は柔軟に組み立てられ、運転速度も自由に調整できるため、中小規模鉱山にとっても使いやすいです。現在、環境保護を重視する多くの鉱山がこのタイプの設備を選択する傾向にあります。
