鉱石選別設備におけるジャイゲーターのストローク(行程)とストローク数(毎分往復回数)は、選別指標に影響を与える重要な要因の一つである。なぜならストロークとストローク数は水流の速度と加速度を決定し、これが直接床層のばらけ度合いや層別状態、以及び水流が鉱粒に及ぼす作用に影響を与え、ひいては選別効果に影響するためである。一般的に、選別する鉱粒の粒度が粗く、密度が大きく、処理量が多く、篩下補給水量が少ない場合は、大きなストロークと小さなストローク数を採用できる;鉱粒の粒度が細かく、床層が薄い場合は、小さなストロークと大きなストローク数を使用するのが適切である。
篩下から供給される水(以下「篩下補給水」)は、床層のばらけ度合いを高め、かつ吸入作用の強さを弱めることができる。広い粒度範囲の物料を選別する場合、篩下補給水量は少なく設定すべきである。これにより上昇水流の速度を低下させ、密度の大きい細粒鉱物が溢流に流出するのを防ぐことができる。狭い粒度範囲の粗粒物料を選別する場合、篩下補給水量を適度に増やして床層をばらけさせることができる。
床層は上層、中層、下層の三層に分けることができる。最上層は軽質鉱物の流動層で、最下層は重質鉱物の沈降層で、中間層は連生体または遷移層となる。床層の厚さはジャイゲーターの製品品質と回収率に直接影響を与える。処理量を向上させたい場合は、床層を薄くすることができる;精鉱の品質要求を高める場合は、床層も厚くすべきである。その理由は、床層が厚いほど鉱粒が通過しにくく、層別に必要な時間が長くなり、重質産物の品質が向上するためである。細粒物料を処理し、かつ篩下から排鉱する場合には、篩の上に人工床層を敷設する必要がある。
給鉱濃度は、選別対象物料がジャイゲーション(跳汰選別)過程における水平方向の流動速度を決定する要因の一つである。適切な給鉱濃度は一般的に 20%~40%である。
一般的に、精鉱の品位と回収率を保証する前提で、できるだけ処理量を高めるべきである。しかし、処理量が一定の範囲を超えると、有用鉱物が尾鉱中に損失する量が増加する。精鉱の品位要求が高い場合は、処理量を相対的に低下させる必要がある。
鉱石性質はジャイゲーターによる鉱石選別にとって重要であり、その中でも最も关键なのは密度組成と粒度組成である。鉱石の密度組成は物料の選別可能性を決定し、軽質鉱物と重質鉱物の密度差が大きいほど、選別効率は高くなる。給鉱の粒度組成は床層の性質、水が床層を通過する際の抵抗、鉱粒間の空隙の大きさなどを決定し、床層のばらけ度合いと層別に大きな影響を与える。通常、ジャイゲーションを行う前には、篩分けによる粒度分级を実施する。
- ジャイゲーター(Jig):鉱石選別に用いられる跳汰機の日本語一般名称で、水流の往復運動(跳汰)を利用して鉱物を密度ごとに分離する設備。
- ストローク(Stroke):ジャイゲーターのピストンや隔膜が往復する際の最大移動距離を指し、水流の振幅を決定する。
- ストローク数(Stroke rate):一分間当たりのストロークの回数を指し、水流の振動頻度を決定する。
- ジャイゲーション(Jigging):ジャイゲーターを用いた選別方法の総称で、「跳汰選別」とも訳される。