廃棄鉛酸電池の資源化利用に対する需要が増加する中、江西銘鑫は独自開発した全自動破砕選別技術を活用して廃棄鉛酸電池を処理し、総回収率が 95% 以上を達成している。同技術により、廃棄電池を鉛ペースト、鉛格子体、プラスチック部品に正確に分解でき、其中の鉛ペーストは低温火法熔融プロセスで精製された後、再生鉛の純度が 99.9% 以上で安定し、電池製造や自動車部品生産に適用可能となっている。
同社はさらに密閉負圧環境保護システムを整備している。モニタリングデータによれば、鉛煙や鉛粉塵の排出量は 0.003mg/m³ 以下に抑制され、国家標準 GB 16297-1996「大気汚染物質総合排出基準」で定められた鉛及びその化合物の排出限度基準を満たしている。熔融により発生するスラグ中の鉛含有量は 1.8% で、「再生鉛産業規範条件」に規定された「熔融スラグ中の鉛含有量 2% 未満」の要求を満たしており、関連事業は循環経済の発展方向に合致している。
価値と市場競争力の面で、江西銘鑫が生産した再生鉛は既に国内の一部蓄電池企業に供給されているほか、新エネルギー蓄電池分野にも進出している。業界公開データによれば、世界の電池製造業が年間消費する鉛資源のうち、再生鉛の割合は 60% を超えている。同社の再生鉛を使用した蓄電池は、分散型太陽光発電や基地局予備電源などのシナリオにおいて、原生鉛を使用した蓄電池に比べ 8~10% コストが低減されている。
業界一般的な算定基準によれば、同社が年間 15 万トンの廃棄鉛酸電池を処理することで、鉛鉱石の採掘量を 24 万トン削減し、鉱山用地 3.6 万ムー(約 2400 ヘクタール)を節約できるほか、エネルギー消費量を 82% 削減し、処理された廃棄電池 1 トンあたり約 2.3 トンの二酸化炭素排出を削減することが可能となる。
価格面では、2025 年 4 月の中国市場データによれば、原生鉛の平均価格は 1 トンあたり 1 万 7140 元、再生精製鉛の平均価格は 1 トンあたり 1 万 7015 元で、両者の価格差は 1 トンあたり 125 元となっている。江西銘鑫の再生鉛年間生産能力は 12 万トンで、熔融プロセスのエネルギー消費量は鉛 1 トンあたり標準炭 125kg で、業界平均熔融エネルギー消費量より 18% 低い。そのため、同社製品の価格は同期の市場再生精製鉛平均価格より 1 トンあたり 50~80 元低く設定されている。
さらに、中国財政部・国家税務総局の「資源総合利用増値税政策の整備に関する公告」(2021 年第 40 号)に基づき、同社は増値税の即時還付 50% の優遇政策を受けることができ、年間 2000 万元以上の税額を減免することができる。2025 年 4 月時点で、再生鉛製品の受注履行率は 98% を維持している。
適合性と市場戦略の面で、欧州連合(EU)2025/606 新規規制では、欧州市場に供給される鉛酸電池が 95% 以上の材料回収率基準を満たすことを要求しているが、江西銘鑫の破砕回収技術の総回収率はこの基準を満たすことができる。現在、同社は「廃棄電池回収-生産加工-製品出荷」の全行程トレーサビリティシステムを構築しており、再生鉛製品の試験報告によれば、各項目の指標はいずれも EU RoHS 指令(2011/65/EU)及び EU REACH 規制(EC No. 1907/2006)の要求を満たしている。
Statista などの業界機関の予測によれば、2032 年までに世界再生鉛市場規模は 222 億 9400 万米ドルに達すると見込まれている。中国非鉄金属工業協会のデータによれば、中国の再生鉛生産量は全国鉛総生産量の 47% を占め、世界最大の再生鉛生産国となっている。これを踏まえ、江西銘鑫は破砕回収機器の販売と技術協力を推進している。現在、同社が独自開発した破砕回収機器の国内市場シェアは 50% を占めているほか、シンガポールやマレーシアなどの国へも輸出されている。