廃家電分解リサイクルラインは、全物理的乾式リサイクル方式を採用している。その主要工程は「電子部品分解 — 多段破砕 — 精密選別」の 3 つの基本ステップを中心に構成され、工程全体を通じて化学試薬は使用されず、環境に配慮した処理を実現している。
電子部品分解ステップでは、専用の自動化設備を用いて廃家電の分解作業を行う。回路基板、電動モーター、コンプレッサーなどの主要部品の分離に重点を置くとともに、プラスチックケースや金属フレームなどの基本構成部品の初期分類も行う。これにより、後続の目的別処理の基礎を築く。分解過程では、設備の位置決め装置とクランプ装置により、部品分離の完全性と効率性を保証している。
多段破砕ステップでは、二軸シュレッダーと造粒機を連携して運用する。まず、二軸シュレッダーにより分解された回路基板を 50~100mm の塊状に破砕し、その後造粒機に送ってさらに細かく粉砕する。高速回転する刃とふるいを組み合わせることで、材料は段階的に 20mm 以下の均一な顆粒に破砕される。顆粒のサイズはふるいの開口径により精密に制御され、後続の選別効率を確保している。破砕設備には過負荷保護機構が搭載されており、硬度が過度に高い不純物による設備の損傷を防ぐことができる。
精密選別ステップでは、「風力選別 + 高圧静電選別」の複合技術が適用される。まず、風力選別装置を利用し、異なる材料の粒子の密度差を活用して定向気流を送り込み、軽量な非金属粒子(例:樹脂、プラスチック)と重量のある金属粒子(例:銅、鉄)を初期分離する。軽量粒子は気流により専用の回収装置へ運ばれる。次に、初期分離後の混合金属粒子を高圧静電選別機に送り、高圧電界内における異なる金属の電気的特性の差を利用して、銅、アルミニウムなどの非磁性金属粒子を電極板に吸着させる一方、磁性金属は補助的な磁選装置により個別に分離する。最終的に、様々な金属と非金属の精密選別を実現し、異なる性質の材料の効率的な分離を保証する。
さらに、工程中の環境への影響を抑制するため、生産ラインにはサイクロン集塵機とパルス集塵機からなる 2 イン 1 集塵システムが設置されている。まず、サイクロン集塵機により破砕・選別ステップで発生した粉塵を初期回収し、大粒径の粉塵を除去する。残った微細な粉塵はパルス集塵機により処理され:高圧パルス噴射により、フィルターバッグ表面に吸着した粉塵を材料回収ホッパーへ落下させ、粉塵の効率的な浄化を実現する。同時に、設備全体は密閉式の外装と防音材料で覆われており、運転中の騒音の拡散を抑制している。これにより、粉塵と騒音の排出が国の環境基準を満たすことを保証し、「工程処理 + 環境対策」の完全な技術体系を形成している。
